愛さえあれば、他には何も要らない
そんなことはない。
この小さな心がそんなに寛大なはずはない。
この大きな欲望がそれで埋まるわけはない。
満たされることのない肉塊。
ありとあらゆる物を手に入れるまで
糸車は廻り続ける。
この小指を締め続ける。
愛さえあれば、他には何も要らない
そんなことは言わせない
こんなに大きな存在をそれで縛れるわけがない。
望む物は全て与えよう この檻から逃がさない。
願望が映し出す幻影
全てを形在るクリスタルに変えて
永遠の記憶の中へ。
水晶の檻に閉じこめて。
穴の開いた杯。
注ぐ聖水はこぼれ落ち
それでもまだ求め
満ちるその日を夢に見る。
穴の開いた杯。
埋まることを知らない底なしの欲望。