愛という名のどす黒い鎖。
断ち切るには無駄に堅すぎる。
はね除けるには少し重すぎる。
逃れようとすればするほどそれはしつこく絡まって
必死にもがいて抗うともっと深く食い込んでくる。
求めた愛は蜃気楼。
白い鎖はつかめなかった。
理想をかき消す溢れる血。
縛り付けて食い込んで
理想から現実に引き戻す。
腐った臭いの汚い鎖。
しがらみに絡まるこの心。
光を見据え求めた果てに
待っていたのがこの仕打ちなのか!
一体何を求めるというのか。
注がれる愛がのしかかる。
幾十に重なるこの鎖が全てを奈落に引きずり降ろす。
愛を注ぐはエゴイスト。
飲み込んで血のサクリファイス。
古い鎖が朽ちたとき この血が汚染されたとき。
もっと強く食い込んで 溢れる血が鎖になる。
この血から生まれた鎖は やはり白い鎖には成れず
この肉から生まれた命を縛り付けていた。
深い期待。果てのない愛。尽きない想い。
あなたのそれは本当に子供へ授けた涙ですか。
それとも―――
エゴから流れた血の雫ですか。