荒れ果てた荒野
泥の海
黒い空に光は満ちず
赤い雨が降り注ぎ
輝くは一輪の
綺麗な綺麗な蘭の花
美しい花をこの手に・・・
天に召された神の子の
汚れを知らないバイブルを
堅い表紙さえボロボロになるまで踏みつけて
地獄へ誘う死に神の
落としていったひとつの林檎
甘い果汁が枯れ果てるまで踏みつけて
積もり積もった思いで達
重ねて交錯した記憶達
果て見えぬ過去に縛る鎖をまとめて踏みつけて
前へ前へと進む
美しい花は摘み取って
この手の中で大切に
優しくそっと握りつぶし
中の液をこぼしてしまわないように
優しくそっと啜り上げて
甘い蜜の 死の味を舌に焼き付ける
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